#つくりおき

一人暮らしをする男性の雑な料理たち

つくりおき中に読書 早川書房編

みなさまメリークリスマス。 冬は煮込み料理がおいしい季節ですね。温かく、味の沁みた煮込み料理はあたたかな気持ちになります。 においを感じながら煮込んでいるあいだもあたたか。火をはためにだらっと本をよんで過ごしています。

さて、そんななかハヤカワのSFで知られる早川書房が年末恒例の kindle のセールをしていました。★4以上で絞っても Amazon で84ページあり膨大なんですがなんとなく流し見してみたので気になったものを紹介します。煮込み料理や年末年始のおともにいかがでしょうか。

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12/29 までのセールだそうなので関心のある方この機にぜひ!

注目

本屋大賞2022をとっていて気になっていた。安くなったら買おうと思っていたので買います。異様に評価が高いのでおもしろいのは間違いないとは思うけれど、舞台が舞台だけに怖そうではある。

セールしているもののなかでいちばんひとに読んでほしいのは何かというとこれかも。 小川哲先生の大傑作です。凄惨なのにゲラゲラ笑えるところがあって怖い。ポルポトが席巻しつつあるカンボジアを舞台にした人々の物語。DIY野郎とか、アナログゲーマーとか、ゴールデンカムイ好きな人(特に宇佐美)はおもしろいとおもう。

三体

三体

Amazon
これは有名ですね。中国発で現代SFの高みにたった3部作。第2部第3部と圧巻でした。まじですごい。

国内作家

小川一水先生も対象です。 「天冥の標」は大傑作ではあるのですが、全部で10冊くらいあって長いのといくつか事情(特に4巻)があって手放しですすめにくい・・・。おもしろいのは間違いないです。特に好きなのは、小惑星の地下で農業を営む男の話。農産物の価格はどんどんさがっていくという、ペティ=クラークの法則は宇宙でも同じでした。 物語では、致死性の高く、後遺症として顔に斑紋ができるという感染症と、それによる未感染者と既感染者の分断が重要な要素なのですが、これをコロナ前に描いていたのもすごいぜ。

というわけですすめにくいのですが、小川一水先生の作品はどれもおもしろいです。まずは月面にテーマパークをつくるための特殊土木屋?ががんばって工事していくさまを描く傑作「第六大陸」あたりどうでしょうか。

あるいは復活の地もよかった。これは架空の宇宙の都市で発生した大震災に対してどう復興していこうか、という作品。311前だからこそ書けたのだとは思う。好き嫌いはありそうですが、導きの星の勢いも好き。 (風の邦、星の渚 レーズスフェント興亡記が好きですがこれはハヤカワではない。こういう系統のものもまた読みたい)

野尻抱介先生では南極点のピアピア動画が現代のテクノロジーを起点にした傑作連作。勢いあります。ふわふわの泉、太陽の簒奪者もよかったです。

山本弘先生ではプロジェクトぴあのが大傑作。現代日本を舞台に、なんとか太陽系外に脱出したいという野望を持つ少女の奮闘?を描いています。

すごい作品でした。

海外作品

未読ですがエンダーのゲーム。いつか読まねばと積んであったのだった。

内容はあまり知らないけれど、紹介されている場面ではどれもおもしろそうなんですよね。

アゴタ・クリストフの3部作もセール。

悪童日記・ふたつの証拠・第三の嘘からなる3部作 これはすごいです。大学生のときにはじめてヴィレッジヴァンガードを訪れて、なんだこの空間は?と衝撃を受けた中で POP で紹介されているのをみて買って読んだのだった。3部作の急転直下は筒井康隆の七瀬三部作クラス。

古典もいろいろあります。 マイケル・クライトンのジュラシック・パークは傑作でした。

手元にないので引用できないけれど異常な数学者がおもしろかったです。高校生の時に読んで大好きでした。

ほか、アシモフや、カート・ヴォネガット・ジュニア、フィリップ・K・ディックなど古典もありますが、ただ、よいかわかっていない・・・おすすめあればお知らせください

ドキュメンタリ

大日本帝国の興亡

未読。5巻あってたいへんそうですが、大併用戦争前後をアメリカの戦史作家が1971年に出版した本らしい。あまりこのへんは教科書・断片的・エピソード的にしか知らないので一連の流れとして気になる。

貧困の終焉

タイトルで気になった。国内ではなく開発経済学っぽいはなしなのだろうか

国家はなぜ衰退するか

これは以前のセールで上巻だけ買っていて、(ようやく)一か月くらい前からすこしずつ読んでいるのだけれどおもしろい。 20%ほど読んだ現段階では、経済制度を決定する政治がどう決まるかがカギっぽそう。日本は衰退するのでしょうか・・・。

空想科学読本みたいな科学よみもの。1つ目だけ読んでいました。軽く読めて笑える。

その他1

ファイトクラブのチャック・パラニュークの作品。ファイトクラブが好きなので読んでみます。

ファイトクラブは、いい。

はてなーが書いた本*1。 現代北海道を舞台に大規模な太陽フレアに襲われたなか生き抜く人々を描く。ふつうにおもしろかったけれど、こういう災害時に国家や大衆がどうふるまうかみたいなところももっと読んでみたい。

早逝の天才、伊藤計劃。はてなダイアリーに書いていたことで知られます。虐殺器官・ハーモニーともに名作。

その他 タイトルで気になった本

シェ・パニースはすこし気になっている

魔王 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男

世の中の SPAM とか各攻撃、いやなんだけれどどういう事情なのか興味がある。

御社のデータが流出しています 吹鳴寺籘子のセキュリティチェック

なんだこれ・・・

おすすめ煮込み料理

まあ料理名としてはボルシチとかポトフとか、カレー、あるいは豚汁やブリ大根もそうです。 とりあえず根菜と豚や鶏を時間をかけて煮込めばだいじょうぶです。煮込む時間は祈りの時間。