#つくりおき

一人暮らしをする男性の雑な料理たち

肉そば

今回は、美味しいお蕎麦をご家庭でもということを目指して、 簡易かつ美味しく食べられる日本そばのレシピにチャレンジしていきたいと思います。

tsukurioki.hatenablog.com

この記事は上記の記事の続きです。

さて、前回はコロッケ抜き、いわゆる関東のそば屋の酒飲みたちが専ら「粋」だという理由で行う「天抜き」つまり、天ぷらそばの「そば抜き」ならぬコロッケそばの「そば抜き」を紹介しました。 この天抜きというやつ、「武士は食わねど高楊枝」という言葉からも分かる通り、いかにも見栄っ張りな江戸っ子の文化という感じがします。 なにせ、そばを抜いたって料金は変わらないのですから、良くも悪くもケチな関西ではとてもじゃないけれども根付きそうになさそうな文化ですね。

そばの最も通な食べ方は「もり」や「ざる」として、つけ汁につけて食べるというのが有名です。 けれども、意外にも江戸っ子たちに愛されたのは「かけ」に代表される汁に浸かったそばだったようです。 というのも、せっかちな江戸っ子たちは、そばをつけ汁につける手間さえも惜しんだとかなんとやら。 海苔を載せた「花巻」や薄切りのちくわを載せた「しっぽく」が愛されたとも言われています。なお、現在のしっぽく蕎麦はお店によって随分と内容が違うとか。

幸いなことに、ご家庭で本格的な「もり」に挑戦するのはなかなか難しいのもあって、お汁に入った蕎麦を作っていきましょう。 そして食事として楽しむには、かけそばだけでは物足りないと思いますので、甘辛く似たお肉をトッピングした肉そばを作っていこうと思います。

汁については前回の記事で作ったものを使います。よって今回はトッピングと、蕎麦を作って丼に盛り付けて行きます。

_8004194.jpg

まずは、トッピングにするうちの1つ、白ネギ焼いておきます。じっくりと弱火で加熱した白ネギは独特の甘みと旨味の様相を呈します。

_8004195.jpg

次に肉のしぐれ煮を作っていきます。本来であれば牛肉なのですが、安価で良いものが手に入らなかったため、豚肉で代用しました。濃い味付けですので、そこまで気になることは無いでしょう。

鍋に味醂、酒を加えてひと煮立ちしたら肉を投入し、肉の赤みが消えてから醤油とおろし生姜を加えて甘辛く煮込んでいきます。

_8004197.jpg

_8004202.jpg

その後、一度肉を取り出してから汁を煮詰めてから、肉戻して完成です。肉が柔らかく濃い味になるように目指しましょう。

_8004211.jpg

そばは乾麺を使うことにします。

かじの 伝統の二八そば 250g×4個

かじの 伝統の二八そば 250g×4個

もちろん、生蕎麦が用意すればベストなのですが、鮮度に対する味の変化がシビアですし、乾燥が大敵で短期の保存もなかなか困難です。 一方でスーパーで手軽に購入できるゆで麺は手軽ですが、汁に浸して食べるにはもとより茹ですぎの上、製法の問題なのか麺の太さも太くて食感が良くありません。 蕎麦は細くて噛み切ったときに歯ごたえを感じる弾力がなければならないと僕は考えるので、これらの中では乾麺がベストだと思います。

貝印 ユータイムIII ミニパスタ鍋 14cm DZ-2003

貝印 ユータイムIII ミニパスタ鍋 14cm DZ-2003

乾麺を少量茹でる場合は、このような径が小さくて背が高い鍋があると便利です。もともとの用途のパスタやうどんの乾麺にも利用できるので1つ持っておくと良いでしょう。

_8004213.jpg

麺が茹で上がったら冷水でよく洗います。

_8004221.jpg

その後、よく温めた汁に盛り付けて、トッピングを載せたら完成。

きちんと茹でた乾麺は、香りにおいては当然生蕎麦には及ばないのですが、ツルッとした食感と噛み切った時のパリッとした歯ごたえはなかなかいい線いっているんじゃないかと思います。 そして、濃厚な汁と肉のしぐれ煮の甘みが絡み、さらに焼きねぎの独特の旨味がアクセントとなってどんどんと食べ進められます。休日の昼食かなにかで、こういう物が出たら85点くらいは目指せるのではないでしょうか。

さて、今日は日本そばのレシピを紹介しました。 最近「そば」といえば中華そばを指すことが多いかもしれません。 例えば油そば、まぜそば、煮干しそば、それらは皆中華そばをベースにしたものでしょう。 けれども、たまには日本そばに洒落込むというのも粋なんじゃないでしょうか。

そういえば「粋」なんて言葉は関東のもののような気がします。 僕が学生時代を過ごした関西では「そば」よりも「うどん」のほうが好んで食べられていました。 そして、そばについては「粋」に関するエピソードをよく聞く一方で、うどんに関してはあまり聞かなかったように思います。 それにしても、僕も関東に来てそろそろ10年というところで、ようやく「そば」を「もり」で手繰るなんて真似をするようになりました。 そんなこと意識してるのがすでに「野暮」ってもんですが、まぁ仕方ないでしょう。

さて、ご家庭が云々とか言いながら実際は独身男性な id:UDONCHAN が一番野暮だったということで、お後がよろしいようで。それではサンキューでした。