#つくりおき

一人暮らしをする男性の雑な料理たち

ホームパーティトライアル

こんにちは。片山です。
ちょっとした話をきっかけに義父母と90歳超の義祖母を招いて自宅で食事会をすることになりました。
家で何人かで飲むとなると、たこ焼きやお好み焼き、あるいは餃子か鍋かお惣菜を持ち寄って、という学生の頃から変わらない流れになりがちです。それはそれで楽しいけれど、高齢の人向けだしせっかくなので見栄を張ってホームパーティっぽくやってみようよ、と妻にそそのかされたのでそれっぽいものを催してみました。また、人を招くことによって築40年超の団地の散らかった部屋をきれいにするという裏目的もありましたが内緒です。

ホームパーティといっても料理を何品かつくって順番に出していくだけ、とはいえ、スムーズにすすめるために仕込みとお皿やコンロの段取りを考えるのはちょっとややこしそう。

このちょっとしたリソースマネジメントについて試行錯誤や失敗もあったので、ホームパーティの流れに沿って振り返りつつ紹介してみます。
経験者によるアドバイスやコメントなどあればいただけますと幸いです。あと参考になる本やブログ、instagramerなども募集中。

憧れはぶち猫先生のこの記事。13人のパーティすごすぎる。 buchineko-okawari.hatenablog.com

日程

前日に買い出しや準備ができる日曜の夜。帰りも余裕を持てるように17時スタートとしてみました。これはまあまあよい選択肢だったと思うけれど、お昼少な目にしてお腹を減らしておいてね、と伝えておけばよかったかもしれません。

コース内容

条件は、高齢な人もいて、生ものは避けた方がよい程度。
自分の食べたいものを考えて野菜を使った魚介メインのイタリアンっぽい料理にするつもり。
前菜2種とスープ・つなぎ何品かあってメインディッシュとパスタとデザートの8種。

メニューを並べて埋めたり考えたり。家にあるレシピ本をめくったり。
前日にスーパー3軒まわって水産売り場をみてメインを決めました。こんな感じです。

前菜 豆腐のカプレーゼ

あらいぶきっちんという長岡京でうまい豆腐をつくっているところの絹を使います*1。 塩をふって重しをして水抜きして、大玉トマトと並べる。オリーブオイルをかけてベランダで育ったバジルを添えて完成。
直前に切って並べるだけで簡単。ビール女子さんのレシピを参考にしています。
beergirl.net

(手前のころころしたのは次のテリーヌです)

原価400円くらい。 なんかもうちょっとまとまってほしかった。ドレッシングに工夫がいるのかな。

前菜 水ダコのテリーヌ

北海ダコこと水ダコの刺身が安かったので買って煮た。1時間煮てぶつ切りにして煮汁ごとゼラチンで固めるだけ。煮立ててしまって煮詰まってちょっとしょっぱくなった。沸かさないようにするか、煮汁が濃かったら薄めるなど必要そう。
100均のパウンドケーキ型をつかったらくっついてとるのがたいへんだった。

これも前日に仕込んでおけるので当日は楽。お皿はカプレーゼと合わせています。
これは、魚介のイタリアンを参照した。元同僚からもらった本で家庭でできないような料理も多いけれどプロのテクが載っていて参考になります。

原価800円くらい。真ダコもっと流通してほしい。たまに業務スーパーにある冷凍の真ダコでどれくらいのものができるかこんど試してみたい。

たまねぎのヴルテ

ヴルテがなんなのかはよくわからないけれど、バターでタマネギを炒めて粉でつくったフランスのソースらしいです。
牛乳を入れて塩胡椒で味を調えて、最後、ちりちりした海苔をかけた。こってりしておいしいし海苔の香りもいい。
海苔は紫彩という一番海苔をつかっています。めちゃうまい。

www.on-the-slope.com

タマネギの形がのこっていて食感があるのも食べ応えがあってよかったけれどフードプロセッサーにかけてポタージュにしてもよかったかもしれない。昼間につくっておいておけたので便利。

レシピは修道院のレシピという本でみつけた。 つくりかたはそっけないものばかりだし謎のハーブや調味料を使ったり時間をかける必要があったりで家庭でまねできないのも多いけれどさまざまなフランスの料理を紹介していて参考になる。

原価300円くらい。

マコモダケの生ハム巻きと白エビのフリット

みなさまはマコモダケを知っていますか?

イネ科の植物「マコモ」に食用菌の「黒穂菌」が住み着いたことによって肥大化した、茎の根元の部分

らしいです。

www.on-the-slope.com

いいマコモダケが手に入ったので、同僚のレシピの天才だーはらさんから聞いた生ハム巻きを試す。
フリット粉は伊勢丹さんを参考に炭酸水をつかっています*2

ハムの塩気とうまみ、マコモダケのしゃくしゃくした食感と甘さがあいまってうまい。
ニトリのスキレットで十分揚げることができて便利だった。
あと生ハムは、安いからと切り落としを買ったら巻くのたいへんだったのでちゃんと重ねられているやつをつかうべき。 揚げ物、美味しいけれど、衣も油も後始末が大変で普段はするべきではないけれどたまには楽しい。

白エビはスーパーで3割引だったのでつかった。うまい。
原価 1,000円くらい。

おさしみ湯葉のいくらのせ

筋子3割引で買えたので数日前に漬けていたいくらを、あらいぶきっちんさんのおさしみ湯葉を畳んで載せたもの。 うまい。

原価。すじこ900円の5分の1くらいなので500円くらいかな。

マッシュルームのタルト

マッシュルームを炒めて白ワインで煮詰めたフィリングでパイつくったら旨味がぎゅっとつまっていてたいへんよかった。

これは練習のときの写真。本番はタマネギなしだったけれどうまく撮れていなかったので・・・。マッシュルームだけの方が圧倒的においしかった。

タルト生地は 吉川文子さんの「バターなしでおいしいパイとタルト」を参考にしたんですが簡単すぎて革命でした。タルト好き野郎はみんな買いましょう。

マッシュルームの味わい深さが評判だった。
生地とフィリングつくって冷やしておけばすぐセットしてオーブンで焼くだけなので便利。
器は、無印良品のオーブンにも使える耐火皿です。そのままお皿としてサーブできて便利。ただ、タルトをきれいに切るのは難しい。平皿とかでピザカッター使えたら便利かも。

原価800円くらい

ほうぼうのアクアパッツァ

今回のメインディッシュです。このホームパーティではデパートで福井産のほうぼうを480円で見つけたのが勝利の鍵でした。以前は京都中央市場の開放日に800円くらいで買ったことがあった気がするのでデパートを見直しました。

かわいいほうぼう。

お店で頭をつなげたまま内臓だけとってもらったので楽ちん。塩をしてキッチンペーパーにつつんで一晩寝かせます。ほんとは数日置いたほうがおいしいらしいですが魚の熟成よくわからない。よい資料あれば知りたい。
半額の三重県産はまぐりと北海道産あさりも買えたので前日砂抜きしておく。

フリットの揚げ油を鋳物鍋(廉価版ルクルーゼみたいなやつ)に垂らし、にんにくをいれる。香りを移してからほうぼうを置いて焼き目をつけてから白ワインをいれて貝類とミニトマト、ケイパーをいれてベランダで収穫したタイムをいれる(タイムは植えっぱなしで使うの初めてです)。ちょっとだけ使った瓶詰めケイパーを含めて原価1,600円くらい。

見た目にもインパクトがあってごちそう感がある。 ほうぼうは身離れもよく食べやすくてしっとり滋味があって美味しかった。アサリとハマグリはスープに沁みていたかもしれないけれど、あまりぱっとしなかった気がする。なにか味を引き出すなにかが足りていないのかも。ミニトマトはいい仕事していた。 今回は鍋からテーブルで妻がよそってあとは各自とる形。うちでやるぶんにはそれでいいかな。ちゃんとしたお店だと取り分けどうやっているんだろう・・・。

パスタ

ほんとはここでアクアパッツァの残りのスープにねじみたいなパスタ、フジッリを投入してしめとする予定だったけれど、みんなおなかいっぱいだったのでなしに。お米と違ってパスタは食べなかったら食べなかったで無駄にならないので便利。

ヨーグルトのデザート2種

これは妻担当です。
義父母が普段食べているというヨーグルトLG21をヨーグルトメーカーで培養し、生クリームなどをクリーミーにしたものと、パインをいれてゼラチンでかためたテリーヌ。妻がつくったのでレシピよくわからない。さっぱり甘くて美味しかった。器は妻が学生時代にモロッコで買ってきたもの。本日唯一いい器。

以上。

コースの進め方

スプレッドシートにメニューと時間を書いて、いつなにをするかタイムチャートを書いておいたところ安心感があってよかった。

遅刻があったり食べるのゆっくりだったりで想定よりだいぶ長くなってしまったけれど。ただ、その分、料理は余裕をもてたのでありがたかった。
お酒やお皿を出したりお皿をさげるのはあまり決めずにいい感じにやっていたけれどこの人数なら問題なかったと思う。

お酒は、はじめスパークリングワイン*3であとはビールをいろいろ用意したけれど、義祖母も義母も普段の見慣れている発泡酒のスタイルフリーばかり飲んでいた。

振り返り

なんとかうまくできて楽しんでもらえたようだし自分も楽しかったので成功と言ってもよさそう。計画して、準備して手を動かして成果がわかりやすい形で出来るしすぐに美味しいと喜んでもらえるのは楽しくていい息抜きになった。特に、仕事とちがってすぐ成果が出るのは楽しい・・・ほんとうに大事なことはすぐに結果がわかることは少ないので成果が見えなくてもこらえるのも大切ではあるけれど。。

原価は5人でお酒抜き8,000円なので1人1,600円くらい。
外でコースを食べる値段を考えると原価の割には豪華につくれた気がする。日々、お客様に料理を提供し続けるプロの飲食店はほんとすごいと再確認。業としてやっている方とは、当然だけれど超えられない壁がある。
オペレーションも部屋の狭さもあるとはいえ人数は自分含めて5人で限界そうだし、材料を使い切ってまとまりのある料理をつくるにも4-5人分くらいがよさそう。

最後、プロジェクトの振り返りを前向きにするための方法のひとつKPTというものを使って振り返ってみます。

Keep(次もつづけたいこと)

・タイムチャートを書いておくのよかった。なれないうちは必要そう。
・コース料理のテンプレートからら個別に考えていくのよい。
・デパート(西武)で買い出しするとそろう。いい魚も買えた。
・#つくりおき やオーブン、火にかけっぱなしのアクアパッツァなど、キッチンに立つ時間が少ないメニューだったので半分くらい食卓あたりにいることができていろいろ会話もできてよかった。
・食器*4をおはしとスープ用のスプーンとデザート用スプーンの3つにしたのでこまこましなくてよかった。
・満腹感をみてパスタをなくすなど調整できて食材に無駄がなかった。

Problem(問題だったこと)

・わりとすぐおなかいっぱいになった。
・器が足りていなかったり統一感がない。
・フリット粉など準備漏れがあった。

Try(次に挑戦したいこと)

・安定していい魚を購入できるお店探したい。
・お品書きをつくっておくとそれっぽくていいかも。
・器をさがす。ぶち猫先生のご著書を読んでため息をつくだけでなく足を動かそう。
・カトラリー*5を5本組くらいはそろえておきたい。
・きれいなコースっぽくしてみたけれど、もっと見栄をとっぱらってホームパーティならではの食べたいものだけつくるというのをやってもいいかも。即メインとか。ずっとクライマックス感あるコースとか。
・もうちょっと人数を増やせる工夫はないものか。

以上、みんなも自分の最高のフルコースを考えて投稿していきましょう!

*1:http://www.alive-kitchen.com/

*2:https://mi-journey.jp/foodie/41716/

*3:3分の2くらい妻が飲んでいた気がする

*4:器以外の、食べるための道具だけを表すいい言葉、ないでしょうか

*5:いつもカラトリーとごっちゃになる