「大日本オサカナ株式会社」という、東海林さだおと椎名誠の対談集を読んだ。
だいたいがくだらないテーマの対談、というかおしゃべりなんだけれど、ひと際くだらないのが魚の会社はどうなっているかという話。
- 作者: 東海林さだお,椎名誠
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/01/04
- メディア: 文庫
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たとえば、タコはねちっこくて総務部で総会屋対策じゃないか、カツオは仕事はできるけれどせいぜい支店長どまり。でも本人もうえに行くつもりはなくてそれでいいと思っている。とか、コイは川閥の領袖で派閥をつくっちゃうとか、経理がカニ。とか。中学生が昼休みにするような話。
ポケットに読み終えたこの本をしのばせながら、魚売り場を歩いていると、みんな会社員にみえてくる。みんないろんな立場でがんばっているんだなあ、と。
そんななか、するどい眼光の魚ぎることに気づいた。黒ムツだ。
似ている赤ムツがのどぐろとして近年急に評価されているなかであわせて注目されている魚である(これによって、まだまだ小さいのどぐろまでスーパーに並ぶようになり、漁獲資源の危うさを感じるけれど、これは別の話)。
このお店では、二種類売っていて、何が違うか聞いてみたら、底引きのほうは押しつぶされてうろこが落ちている。一本釣りのほうはまだうろこが残っている、とのこと。
鋭い眼光の一本釣り物を購入してみた。うっかり産地は聞きそびれている。
640gの小ぶりのもので1260円だった。
顔は純朴なんだけれど鋭さがある。
これは大日本オサカナ株式会社では、けっこう実力者だと思う。上にも歯に衣着せぬ物言いをする若手エース。
これを今日は鍋と刺身にします。
ふつうの魚と同じように三枚おろしにできます。
内臓が頭のほうにしっかりついていて取り出しにくいくらい。あと、腹骨と背骨が固くてきれいにきれなかった。修行が足りない。
頭と背骨、血合いをお湯で洗ってからコブ出汁で煮ます。
淡白でうまみのあるスープ。これに野菜と身をいれてぐつぐつ。
塩気を調整して醤油で食べると最高でした。身はぷりぷりで、一見たんぱくなんだけれど甘い脂がのっている。そしてそれは、ブリのようにくどい脂ではなくするりと食べることができる感じ。
うまいうまい。
すぐ食べてしまったので写真はありません。
かわりに、京都のラオス料理屋、ユララのカオソーイを張っておきます。これもおいしい。
みんなもさまざまな魚介類で鍋をしてみましょう。
そして、今週のバレンタインデーにむけて独身男性手作りチョコバトルにも参加しましょう。